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妖精と出会った女性の “日本にケルト文化を広めたい” という想い

妖精と出会った女性の “日本にケルト文化を広めたい” という想い

ケルト文化をもっとたくさんの人々に伝えたい。そんな想いのもと、ケルト文化の魅力を伝えるために可愛らしいイラストを手掛ける mochi さんに今回お話をお伺いした。

世界を放浪し様々な文化を吸収したmochiさんの歩みは、浮世離れしたものでありながら、強く、そして逞しい。

様々な経験を経た mochi さんは、なぜケルト文化に興味を持ち、それを広めるために活動しているのか。今回は、ケルト文化、そして奇妙な “妖精たち” に魅せられた女性の話である。

【mochiさんプロフィール】
様々な国を放浪の末、ケルト文化を日本の人々に伝えたいと思い立ち、現在は可愛らしい妖精などのイラストを手掛け発信している。他にも、ハープの演奏や、放浪の記録をSNS上で発信するなど、様々な経験を活かした活動を行っている。

insta: @mihamochi
twitter: @mihamochi
note: wandering_fairy

「ケルト文化を広めたい」放浪癖のある彼女による旅の軌跡

「インドに呼ばれた気がしたんですよね」

mochiさんがケルト文化を広めたいという想いを抱くまでの旅は、インドに呼ばれてから始まった。もうこの時点で一つの紀行文が書けそうなくらいな出だしだった。

「有名なインドの占い師に『君のカルマには日本が入っていない』と言われまして…今思えばあの言葉は核心をついていましたね」

———なるほど。インドの旅が大きな転機となり、ケルト文化を知るべくケルト圏を旅したのですかね?

「いえ…実はそれまでにまだまだ遠い道のりがあるのです…」

淡々とケルト文化のお話に行き着くと思いきや、彼女の口からはインドの放浪を皮切りに様々な国の遍歴が飛び出してきた。

「インドを旅する前は、高校卒業後アメリカに留学していました。帰国後は日本企業で転々と働き、例のインドの旅から、ドイツ、スペイン、フランス、ベルギーなどのヨーロッパ諸国を回り…ミャンマーなどを放浪しながらフリーランスデザイナー&イラストレーターとして活動していました」

どの旅の話も興味深く、私も夢中になって彼女の話を聞いていたが、果たしてこの世界放浪からどう「ケルト文化を広める」という夢に結びついたのだろうか?

ケルト文化に魅せられたmochiさんのルーツ

———なぜmochiさんは色々な国を旅していたのですか?

「もちろん旅にはそれぞれ目的があり、海外はインプットの場所として捉えています。でも本当は、頭の中へ、この国へ行きなさいっていきなり降りてくるんですよね笑、それが一番の理由ですかね…」

呼ばれた国にはどこであっても旅立ってしまうほど行動力に溢れ、様々な放浪歴のある彼女だが、そのルーツは高校生の時のオーストラリア留学にある。

「高校のイベントでオーストラリアに短気留学しまして、ホストファミリーがアイルランド出身だったんです。彼らのフレンドリーで温かみある人柄に惹かれたのが私のルーツなのかもしれません。そのころには既に、アイルランドに興味を抱いていました。

もちろん、他の国の文化も知りたいと思って色々な国をまわることにもなるのですが…」

高校生の頃から、アイルランドに興味を抱いていたmochiさんは、様々な国を旅した後、スコットランドやウェールズを経て、念願のアイルランドへ。ケルト文化特有の自然、そして音楽、陽気で明るい人々に出会い、ケルト文化にドハマりした。

彼女の旅の記録を聞いた末、世界放浪からケルト文化と出会うまでの辻褄をやっと合わせられた気がした。mochiさんが「これでケルト文化の話ができそうですね」と言ったので、二人して思わず笑ってしまった。

そもそもケルト文化とは何か?

そもそも、ケルト文化とは何か。

ケルトとはヨーロッパ語族に属する民族であり、現在はフランスのブルターニュ地方、アイルランド、英国のウェールズやスコットランドなどに残る。

そして、ケルトはヨーロッパ文化の源流とも言われ、4,5000年以上の歴史がある。古代ケルト人は文字をもたず、宗教は自然崇拝の多神教であり、神話は口承されていった。その神話の多くに妖精や魔法使いなどが登場することが、ケルト文化の神秘的かつ幻想的な印象を強めているようだ。

mochiさん曰く、その文化や自然観は、日本のものと馴染み深いと言う。特に宗教の在り方、自然の扱い方は強く親和性を感じてしまうそうだ。他にも、装飾品の模様や、ケルト人たちの考え方、感性も我々のものにとても似ているらしい。

そのような神秘的な文化に魅せられたmochiさんは、自身でもオリジナルの妖精のイラストを手掛けており、こちらのインスタのアカウントでは、その人に宿った妖精をイラストとして描く、という活動も行っている。

@mochi_twinkle_magic

 

また、ケルト圏では民族音楽が街中でさかんに演奏されている。mochiさんの旅の目的の一つの中には、アイルランド人による生の演奏を聴き、アイリッシュハープを習得する、というものもあったようで、彼女による演奏の様子をSNSで観ることができる。

 

ケルト文化と日本の意外な共通点

そんなmochiさんは、ついにケルト文化が色濃く根付くアイルランドへ。

「本当に妖精が出てきそうな風景、街並み。本当に美しくて、みんなが思い描くファンタジーそのものの世界観なんです。

一体いつからほったらかされてるんだろう…と思ってしまうくらい風化した建物がアイルランドの自然とうまく融合して存在していて、本当に妖精が出てきそうな、そんなどこか儚ないアイルランドの代表的な風景には心惹かれずにはいられません」

アイルランドへ降り立ったmochiさんは、住居を追い出されたり、現地で知り合ったカップルの家に居候したり、飲み過ぎて警察に補導されたり、と、アイルランドの暮らしを存分に楽しんだ(彼女の体験記は以下を参照に)。

また、mochiさんはアイルランドに降り立った時、「懐かしい感じがした」とも語る。

「飛行機から降り立った時のにおいや、風のあたたかさ。この地に来たのは初めてな気がしませんでした。これぞ探し求めていたものだと思いつつも、日本のものとはかけ離れた街並みをみて、なんだか懐かしい感じがしたんです。

そしてここの人たちは、フレンドリーだし気さくだけど、実は意外とシャイだったり…想ったことも心に秘めておくような人たちが多くて、なんとなく日本人の感性と似ているんですよ。

これも私が日本でケルト文化を広めたい理由なのですが、きっと日本の皆さんがこの地に訪れても同じような感想を抱くと思います」

ケルト圏での様々な珍道中は、日本人としてケルト文化に対する共鳴する何かがあったからなのだろうか。

ケルトの自然や芸術を肌で感じ、ケルト人のように暮らし、高校生の時に垣間見たケルトの文化を体感する。それまでに様々な放浪の軌跡もあったが、様々な国々で文化を吸収したからこそ、ケルトに「呼ばれた」のかもしれない。

ケルトの妖精たちが私たちに教えてくれること

アイルランドでは現在も妖精の存在が信じられているという。mochiさんは、アイルランド人の暮らしを間近に見て、この人たちこそ妖精なのだと直感を得た。自然と共存し、気分屋で、素朴で、音楽やダンス、そして文学をこよなく愛するケルトの人々。小さいコミュニティの中でお互い支え合いながら暮らし、パブでたくさんのギネスを浴びながら音楽を楽しむアイルランド人の日常と暮らし。

その愛しい妖精たちとケルトの暮らしの中にこそ、mochiさんの「ケルト文化を日本に伝えたい」という想いの所以がある。

「確かにケルトと日本には、共通点が多いです。文化だけでなく、人間性も似ていますね。でもなんとなく、ケルトの暮らしには、日本の私たちが忘れてしまっているものもたくさんあるような気がするんです。

例えば、雄大な自然や芸術を愛する感性。時間に追われない働き方や、フレンドリーで気さくに隣人をもてなす心。

まるで妖精が暮らす様なケルトの文化に触れることで、そんなちいさな心のゆとりを取り戻せるのかなぁと思うんです。

イラストを描いたり、エッセイを綴ったりしているのは、少しでも日本の人たちにケルト文化を知って、忘れかけた何かを考える機会になれば、という想いからですね。また、ケルト文化をわたしのファンタジーフィルターにかけて、みなさんに面白おかしくお届けできたらなとも思っています」

街やパブには生の楽器演奏が溢れている。
辺りを見渡せば、美しい自然が行き渡っている。

確かに、せわしなく現代社会を生きる日本の人々が忘れつつある豊かさが、そこにはあるのかもしれない。

mochiさんの今後の活躍が待たれる。

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